どうも!Ecmorusunと申します!
このブログの管理人、Ecmorusunの仕事である臨床工学技士についてご紹介します!
そもそも臨床工学技士ってなに?
何をしてる人?
臨床工学技士の将来性は?
などについて、解説していきます!
- 臨床工学技士の仕事内容
- 臨床工学技士の将来性
- MEなの?CEなの?
- 臨床工学技士になるためには
臨床工学技士とは?
目次
臨床工学技士の定義について
まずは日本臨床工学技士会という臨床工学技士のホームページから、『臨床工学技士とは?』をみてみましょう!
臨床工学技士とは、医師の指示の下に、生命維持管理装置の操作及び保守点検を行う事を業とする医療機器の専門医療職種です。
医師をはじめ、看護師などと共に医療機器を用いたチーム医療の一員として生命維持をサポートしています。
公益社団法人 日本臨床工学技士会HPより引用
サポートというところがミソですかね。
もう少し詳しく説明していきます!
臨床工学技士について
臨床工学技士は、病院で使用する医療機器をいつでも安全に、正常に使えるよう保守点検を行ったり、
医師の指示の下、人工呼吸器、人工透析装置、人工心肺装置などの、生命維持管理装置を操作する専門職です。
医療機器の安全性を担保し、かつ適正に操作、管理するためには医師や既存のコメディカルスタッフの資格では対応しきれなくなってきたため、臨床工学技士の資格法制化が進み、1987年に国家資格をもつ臨床工学技士が誕生しました。
比較的歴史の浅い職業です
将来性はある?
施設基準に”臨床工学技士”が記載
平成26年度の診療報酬改定の際に『特定集中治療室管理料に関する改定』がなされ、この特定集中治療管理料を請求するためには、施設基準の中に専任の臨床工学技士が、常時、院内に勤務していることが条件のひとつになりました。
高度な医療を提供できる施設の基準として、臨床工学技士の有無が問われたということです!
2021年10月の法改正により業務が拡大
厚生労働省より発令された臨床工学技士法の改正で、2021年の10月から臨床工学技士ができる業務が拡大しました。
- 手術室、集中治療室で生命維持管理装置を用いて行う治療における静脈路の確保、抜針および止血
- 生命維持管理装置を用いて行うカテーテル治療における身体に電気的刺激を負荷するための装置の操作
- 手術室で生命維持管理装置を用いて行う内鏡視下手術での、内視鏡用ビデオカメラの保持、操作
- 血液浄化業務内でのブラッドアクセス確保のための表在化された動脈、もしくは表在静脈への穿刺、接続、抜針
現在臨床工学技士として業務をされている方は、厚生労働省と日本臨床工学技士会が定める研修を受けることで上記の業務を行うことができるようになります。
今までグレーゾーンと呼ばれていた業務が正式に認められました。
どれも独占業務ではないため臨床工学技士ならではの仕事ではありませんが、医療の働き方改革の一環として医師の仕事をシフトする(シェアする)という議論がなされ、このような法律改正に至りました。
特に手術室や集中治療室での静脈路確保、抜針についての法改正は今後の働き方が大きく変化していきそうです。
なぜ臨床工学技士が必要なのか
臨床工学技士の歴史は浅く、未だ認知度の低い職種ですが、今後も医療機器は進化していき、それを正しく管理をする職種として将来性がある可能性があります。
自動車も自動運転ができるようになったり、AI技術の発達によりさまざまな機械の自動化が進んでいますが、医療機器も例外ではありません。
医療機器の自動化により、作業効率が上がったり、安全性が向上しましたが、やはりそこは機械。
自動運転が可能な自動車もエンジンをつけたり、ガソリンをいれたりと人の手が必要であり、医療機器も故障に対する対応や日々のメンテナンスには人の手が必要です。
コンピュータになくて人間にあるのは、『モチベーション』です。
コンピュータには「これがやりたい」という動機がありません。
落合陽一「これからの世界をつくる仲間たちへ」より引用
医療機器には『患者さんの状態を総合的に判断して電源をつけて、治療を開始する』ということはできません。
現役の臨床工学技士としては、今ある医療機器を正しく使うだけではなく、応用方法を提案したり、臨床工学技士ならではの視点を臨床現場に反映させていければ、今後もより必要とされる存在になれるのかなと思っています。
医療機器メーカーなどの”作る側”に就職する技士もでてきているので、これから間口が広がっていけばいいですね。
臨床工学技士の名称について
CE? ME?どっちが正しい?
医療の世界では職種をアルファベット2文字で表すことが多く、医師は「Dr」、看護師は「Ns」、理学療法士は「PT」など、英語表記の頭文字をとっています。
臨床工学技士は何故か『Clinical Engineer』と『Medical Engineer』の2種類があり、施設によって呼び方が違います。
日本臨床工学技士会は『CE』に呼び方を統一しており、今後はCEという呼び名が主流になると思われます。
ちなみに私のTwitterアカウントでは『CEかME』と名乗っており、
正直どっちでもいいと思っています。笑
まずは臨床工学技士というマイナーな職業の知名度を上げてから議論すればいいのです。
つまりどっちも正解です・・・
日本臨床工学技士会に怒られそうですが、呼びやすい方でよんでいただければいいんじゃないでしょうか!
次は臨床工学技士が実際に行っている仕事をみてみましょう!
臨床工学技士が行う仕事一覧
大きく分けるとこのように分類されます。
- 心電図モニター、輸液ポンプ、シリンジポンプなどの保守管理、点検、修理を行う保守点検関連業務
- 人工透析装置の操作、管理を行う血液浄化業務
- 人工呼吸器の操作やECMOの管理などを行う集中治療領域業務
- 人工心肺装置の操作や、その他手術中の医療機器操作を行う手術室業務
- カテーテル室での心・血管カテーテル業務、ペースメーカー、ICDなどの業務、アブレーション業務
- 内視鏡カメラの操作や、補助を行う内視鏡業務
- 在宅医療の機器サポートを行う在宅医療業務
- 高気圧酸素治療装置の操作などを行う高気圧酸素治療業務
ここで書いてる業務はさらに細分化され、扱う医療機器の種類は1000を超えます。
院内の若い看護師さんでも何をやってるか知らない人がいたりします・・
この間、こんなこともありました。
あのー、病室の冷蔵庫が壊れたんですけど、
これの修理はMEさんでよろしいでしょうか?
ごめんなさい・・それは医療機器じゃないです・・・
・・・頼ってくれることはいいことですね!(混乱)
臨床工学技士になるためには?
臨床工学技士は国家資格で、なるためには臨床工学技士国家試験に合格する必要があります。
その受験資格を得るには、高校卒業後、臨床工学技士養成課程のある養成校(大学、短大、専門学校)で決められた課程を修了する必要があります。
決められた課程の中には臨床実習の単位も含まれています。
私は専門学校から国家試験に合格し、そのまま就職しました!
国家試験の合格率も80%前後と、比較的高めですので、国家資格としては取りやすい方に分類されます。
臨床検査技師や看護師などの養成校を卒業していれば、専攻科で1年以上学ぶことで臨床工学技士試験の受験資格が得られます。
ダブルライセンスが取りやすい職種でもあります!
受験資格についての詳細は厚生労働省ホームページからご確認ください!
まとめ
今後も医療技術の進歩と一緒に、医療機器も進化していき、ますます高い専門性が必要となってきています。
わたしたち臨床工学技士は、チーム医療の一員として、人工呼吸器や人工心肺、ECMOの管理を任されるようになり、
医師や看護師へアドバイスをするようになるなど、
医療、医療機器の進化とともに成長していく職業なのです!
将来性がある仕事だと思います!
自分の職業を紹介するのにこんなに考えることがあるとは・・・
みなさま、臨床工学技士のことについて少しでも知っていただけたでしょうか?
今後もこのブログでは、現役の臨床工学技士が、普段使っている医療機器の疑問や情報を発信していきたいと考えていますので、よろしくおねがいいたします!